小国紙 おぐにがみ

工芸技術 その他

  • 選定年月日:19730327
  • 記録作成等の措置を講ずべき無形文化財

 小国紙【おぐにがみ】は、新潟県刈羽郡小国町山野田【やまのだ】の雪ぶかい山間僻地で冬期間に漉【す】かれる強靭な伝統的な楮紙【こうぞがみ】である。
 部落に残されていた記録によれば、天和二年(一六八二)、山野田部落において二十戸の農家が冬期間製紙していたといわれが、それ以前の事情は不明である。山野田部落の手漉紙の全盛期は江戸末期から明治時代までで、当時は障子紙・保存用記帖・袋紙・傘紙等であった。
 小国紙は、地元産楮の栽培、伐採以下の原料処理、製紙工程等を紙漉職人が一貫して行なっている。特に入念ななぜ皮作業、手打ちによる叩解【こうかい】、古式の小型の三枚の簀【す】を交互に用いる流漉【ながしす】き、漉き上げた湿紙な雪中に埋め、積雪の重さを利用して圧搾し、長期間保存する「かんぐれ」と称する工程、干板による天日乾燥等の全国でも稀れな古格のある伝統的製法がよく保存され、手漉和紙の強靭性と美しさがよく発揮されている。

小国紙

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