観音

油彩画 

古賀春江 (1895-1933)
コガ、ハルエ
大正10年/1921
油彩・キャンバス・額・1面
91.0×72.5
6回来目会展 久留米商工会議所 1922

18
観音
Avalokitesvara
1921年
油彩・麻布 91.0×72.5cm
神経の過敏な古賀春江にとって、現実は悲しい混沌をもたらすばかりであった。一見、身がわりの早さで混乱の近代を華麗に滑っていったかのようなその軌跡も、暴力的な現実にいらだつ気分の混沌状態を断ち、親和的なイメージによる虚構の世界へ逸脱をはからずには生きられない画家の知的な努力の結果にほかならず、そこにまた言葉の無力化によって暴力化した観念的精神の時代からの逸脱をはかるイマジスト詩人の道もあったといえよう。古賀春江のこうした時代精神からの知的な逸脱にモダニストの様式を認めることはできるのだが、古賀自身その逸脱を「デタラメ」とか「ウソ」と表現せざるをえなかった点、つまり虚構の親和状態が憧憬以上の存在たり得なかったところに、存在への意志の欠如を見ざるを得ず、そこに、自己の存在を無化することで純粋の美的世界へと観入する仏教的な無常感に通じるものが感じられる。
この作品でも、一切は現実とも非現実ともいいがたく象徴的に漂い出ている。キュビスム的な手法もここでは「流動している神秘」へと対象を解体させるためにとられている。存在をかけての構築は見られず、画家の混沌は混沌のままに神秘として、虚無のうちに肯定されている。

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