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片輪車螺鈿蒔絵手箱

かたわぐるまらでんまきえてばこ

概要

片輪車螺鈿蒔絵手箱

かたわぐるまらでんまきえてばこ

工芸品 / 平安 / 関東 / 東京都

東京都

平安

口縁に錫縁を回らした被蓋造の手箱。甲盛りがあり、塵居を設け、身の長側面中央に車輪形透彫りの銀製紐金物を打つ。総体漆塗りに鑢紛を蒔いた平塵地とし、蓋、身の全面に流水に片輪車の文様を表す。波文は金、車輪は青金粉を用いて研出蒔絵とし、車輪の半数は螺鈿とし、一部には毛彫りを施す。蓋、身の内面は、淡い平塵地に金銀の研出蒔絵で蝶、鳥、松、桜、楓、埋め、橘、柳、菊、竜胆、薄、桔梗、女郎花などの折枝を散らす。

縦22.4 横33.3 高13.0 (㎝)

1合

東京国立博物館 東京都台東区上野公園13-9

重文指定年月日:19311214
国宝指定年月日:19521122
登録年月日:

独立行政法人国立文化財機構

国宝・重要文化財(美術品)

片輪車文は平安時代後期の料紙下絵に少なからず見られるもので、当時よく好まれた文様である。本手箱では、叙景的な文様に装飾性を加え、優美な趣向を如実に示す。現在知られる平安時代の蒔絵螺鈿の遺例は数少なく、意匠・技法共に優れ、資料的にも貴重な作品である。

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