土佐典具帖紙 とさてんぐじょうし

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指定年月日:20010712
重要無形文化財

土佐典具帖紙は、きわめて薄く、かつ強靱な楮【こうぞ】和紙の製作技術である。中世に美濃国で漉【す】かれていた典具帖(天宮上、天狗状、天郡上等とも記す)の技術が、明治初期に高知県に導入されて発達した。土佐典具帖紙は、タイプライター原紙として大量に輸出されるほど発展し、比類のない極薄紙として知られるようになるが、昭和三十年代以降、機械漉【ずき】の典具帖紙の普及に押され手漉【てすき】の需要が減少したため技術者も激減し、きわめてわずかな需要に支えられ、伝統的な技術が現在まで伝承されてきた。
 伝統的な土佐典具帖紙の製作には、高知県仁淀川【によどがわ】流域で生産される良質の楮を原料とし、消石灰で煮熟【しゃじゅく】した後、きわめて入念な除塵(ちりとり)や小振【こぶり】洗浄を行い、不純物を除去して用いる。トロロアオイのネリを十分にきかせた流漉【ながしずき】で、抄紙【しょうし】の工程では、渋引きの絹紗【きぬしゃ】を張った竹簀【す】および檜製漆塗の桁【けた】を使用し、簀桁を激しく揺り動かして素早く漉き、楮の繊維を薄く絡み合わせる。漉き上がった紙は「カゲロウの羽」と称されるほど薄く、繊維が均一に絡み合って美しく、かつ強靱である。
 土佐典具帖紙は、手漉和紙の流漉技術の粋ともいうべきものであり、芸術上価値が高く、工芸史上重要な地位を占め、かつ、地方的特色が顕著な工芸技術である。

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