彩漆土器/山形県押出遺跡出土 さいしつどき/やまがたけんおんだしいせきしゅつど

考古資料 / 縄文 / 東北 

山形県
縄文
6箇
東置賜郡高畠町大字安久津2117
重文指定年月日:19960627
国宝指定年月日:
登録年月日:
国(文化庁)
国宝・重要文化財(美術品)

本件は、山形県押出遺跡から出土した、縄文時代前期後半の彩漆土器である。いずれも低地遺跡特有の条件が幸いして、漆の遺存状態もよく、赤漆と黒漆の使いわけ等、きわめて良好な状態で、当時の漆工技術を観察することができる。出土状態は、平地式住居跡と目される、円形に配列された柱根の内側からつぶれた状態で出土したものがあるほかは、特別な出土状態は観察されていない。
 完形に復元された六箇の彩漆土器は、胴部が球形・扁平に張り出すもの五箇と、同様な器形でやや肩部に張りがあるもの一箇で構成され、いずれも〇・五から〇・八センチの高台を持っている。口縁部直下には小孔列がある。大きさは、径二三・〇センチを最大に、径一四・七センチの小形のものまでさまざまで、残欠の中には、推定胴径が五〇センチにもなる大形の土器もある。
 彩漆土器の技法は、まず酸化鉄を発色剤とした赤漆をすべての土器外面全体に塗り、うち三箇には、赤漆を下地として、その上に、炭あるいは煤を発色剤としたと思われる黒漆で幾何学的、繊細かつ流麗な細線文を描く。また、口唇部および底部の高台付近には、黒漆の太線を縦縞状に配している。
 彩漆土器は本遺跡のほか、福井県鳥浜貝塚および山梨県天神遺跡でもほぼ同時期のものが出土しているが、いずれも断片的な出土であり、押出遺跡のように斉一性のある特異な形態の彩漆土器が、しかもまとまって出土している例はない。
 本件は、その優美な器形、流麗な文様モチーフが美しいのみならず、縄文時代の漆工技術の水準を知る上で、きわめて重要な意味を持つものであり、その学術的価値は高い。

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