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矢ノ浦古墳出土変形獣帯鏡

やのうらこふんしゅつどへんけいじゅうたいきょう

概要

矢ノ浦古墳出土変形獣帯鏡

やのうらこふんしゅつどへんけいじゅうたいきょう

金属製品類 / 古墳 / 佐賀県

古墳時代

青銅製

面径12.6cm

1面

佐賀県武雄市武雄町大字武雄5304-1 武雄市図書館・歴史資料館

武雄市

佐賀県重要文化財

 県史跡矢ノ浦古墳(前方後円墳)の1号主体部から、鏡面を上にした状態で出土した。青銅製で、面径12.6cmの仿製鏡(中国の鏡をまねて国内で作られた鏡)である。背面の文様から変形獣帯鏡とよばれている。
 背面の文様は、中央の円座鈕(つまみ)の外側に6個の円座乳(丸い突起)を配し、乳の間に各々1体の獣形が浮彫りされている。獣形は胴体と頭部の位置関係や尻尾の形態などが少しずつ異なっている。この外側に擬銘帯とよばれる、文様化された漢字が並び、櫛歯文帯がある。1段高くなった外区には、波文を挟んで2条の鋸歯文が配されている。鏡縁は斜縁で、くぼんでいる。
 全体的に銅質が悪く、銹化が進んで緑青に覆われており、もろくなっていたため、平成3年に保存修理を行った。製作年代については、矢ノ浦古墳の築造が5世紀初頭から前半と考えられていることから、それより幾分前の段階と推定される。
 本鏡は、獣形が変形、形式化しているが、擬銘帯を有しているなど本物の獣帯鏡に近く、文様も優美で、製鏡としては面径も大きいなど、県下出土の古墳時代製鏡の中でも優れており、貴重な資料である。

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キーワード

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