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木造男神坐像(伝塩椎神)

概要

木造男神坐像(伝塩椎神)

彫刻 / 平安 / 中部

平安

1躯

重文指定年月日:19940628
国宝指定年月日:
登録年月日:

大虫神社

国宝・重要文化財(美術品)

越前国の古社、大虫神社【おおむししんじや】に祀られる二躯の神像である。天津日高日子穂穂出見命像とされる像は、主神として本社社殿に鎮座する。檜材の一木造で、腰より上の像容を縦一材より彫出し、その下に九センチ高の横一材を矧足し、これに両足部横一材を矧ぐ類例の少ない構造になる。厚みのある頭体部や、両眉をつなげるいわゆる連眉の形式、耳輪の太い耳の形など、古式を襲っているが、その平板な肉付けや衣文の単調な彫り口は平安後期以降の製作を思わせる。あるいは古像を模しての造像の可能性もあろう。
 伝塩椎神像は本殿東隣の摂社塩土社に安置される。巾子冠【こじかん】、袍【ほう】をつける服制は主神像と共通するが、主神像の結跏趺坐【けつかふざ】に対して正坐する姿に表されている。檜材製で、全容を一材より丸彫りする。貴人を思わせる面貌にやや厳しい表情を浮かべる像容が的確な彫技で表され、まことに洗練された作風を示している。耳の深く鋭角的な彫り口などは平安前期の仏像に近く、製作時期は主神像よりもかなり遡り、十世紀頃と推定される。肉身・着衣とも当初の彩色が残り、その保存のよさも賞される。

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