金銅火舎 こんどうかしゃ

工芸 / 奈良県 

鎌倉時代 14世紀
銅製 鋳造(火炉:猫脚炉底に鋲留、轆轤挽き仕上げ) 鍍金
総高11.8 炉径11.5
1口

 火舎(かしゃ)は香炉(こうろ)の一種で、主として密教で用いられる形式である。通常四面器や一面器の中央に置かれ、左右に六器(ろっき)、華瓶(けびょう)、飲食器(おんじきき)を並べ、諸尊を供養(くよう)するのに用いられた。
 本品は、蓋、甑(そう)、火炉からなる中世以降盛行した重層式の火舎香炉である。蓋は3段に甲盛りし、頂上に宝珠(ほうじゅ)形の鈕(ちゅう)を配する。上段及び中段の各3箇所に交互に飛雲形の煙出しを透かし彫りしている。甑は鐔(つば)つきで、口縁に小さな立ち上がりをつける。火炉も鐔つきで、持ち送りを有する三脚の猫脚(ねこあし)を底部につけている。紐帯の鋭い作りや小振りの宝珠鈕、獣脚が細く腰高な点、甲盛りが穏やかな点は古様を示しており、秀麗な火舎として看過しがたい遺例である。

古玩逍遥 服部和彦氏寄贈 仏教工芸. 奈良国立博物館, 2007, p.58, no.37.

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