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粉河経塚出土品

こかわきょうづかしゅつどひん

概要

粉河経塚出土品

こかわきょうづかしゅつどひん

考古資料 / 奈良県

平安時代 12世紀/天治2 1125

2個8巻

和歌山県那賀郡粉河町粉河出土

 紀北の古刹、粉河寺の背後にある風猛山の南麓斜面から発見されたもので、法華経8巻を納めた経筒を陶製外容器に入れ、蓋代わりに1枚の自然石が置かれていたという。経筒は銅鋳製、蓋は台付宝珠鈕をいただく被蓋式傘蓋(かぶせぶたしきかさぶた)である。円筒形の身の側面に9行の銘文が刻まれ、天治2年(1125)9月5日に明経博士の清原信俊(さねとし)が勧進となり、6人の僧に依頼して京都・大原の芹生別所で法華経を書写し、弥勒菩薩との値遇を願い、粉河寺に埋納したことが知られる。信俊は『本朝新修往生伝』によると、如法経を書写し、各地の名山霊寺に送ったとされる。
 経筒は形姿に優れ、経巻も出土品としてはきわめて保存状態がよく、貴重である。なお、陶製外容器は愛知県の猿投(さなげ)古窯で焼かれたものである。

奈良国立博物館の名宝─一世紀の軌跡. 奈良国立博物館, 1997, pp.282-283, no.22.

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キーワード

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