溝口の塚古墳出土品 みぞくちのつかこふんしゅつどひん

金属製品類 / 古墳 / 中部 

長野県
古墳時代中頃
竪穴式石室内出土品 ― 鉄剣1(鹿角製剣装具付)・鉄刀3(鹿角製刀装具付)・鹿角製品1・鉄矛1・鉄鏃64・横矧板鋲留衝角付冑(錣《しころ》付)1・三角板鋲留短甲1・横矧板鋲留短甲1…
201点
長野県飯田市上川路1004-1
飯田市指定
指定年月日:20120614
飯田市
有形文化財(美術工芸品)

 溝口の塚古墳は、飯田市上郷に所在した竪穴式石室を埋葬施設とする前方後円墳(墳丘長推定47.5m)で、古墳時代中期(5世紀後半)に築造された飯田下伊那を代表する前方後円墳の一つである。本古墳は、一般国道153号飯田バイパス(3工区)建設に伴い発掘調査され調査後消滅した。
 平成8~10年度に実施した発掘調査で、石室内からは人骨とともに後世の撹乱をほとんど受けていない状態で副葬品が出土した。また墳丘は後円部の一部をのこすのみであったことから原位置を留めるものではないが、周溝内からは動物の線刻を施した円筒埴輪を含む埴輪が多数出土しているほか、盛土内からは墳丘築造時の祭祀行為に伴う土師器(高杯)が出土した。本古墳の出土品は、当地方のみならず長野県内においても発掘調査により把握された5世紀後半の前方後円墳の一括資料としては現時点で唯一のものである。
 石室内の副葬品は威信材(政治的な目的で畿内中央政権(大和政権)から配布されたもの)である武器・武具が主体となり、刀剣類には鹿角製の装具が施された装飾性の高いものもある。これら副葬品からは当時の武装の一端を知ることができるとともに、当地方と畿内中央政権との関係を如実に示す資料として意味をもつものである。さらに本古墳の被葬者は歯の形質に渡来系の要素を有し、副葬品の中に韓半島との関係が伺われる鉄矛があることから、当地方と韓半島との関係も示唆される資料である。

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