行く春

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日本画 

川合玉堂 (1873-1957)
カワイ、ギョクドウ
大正5年/1916
彩色・紙本・屏風6曲・1双
各183.0×390.0
左隻左下に落款、印章
10回文展(「行春」) 竹之台陳列館 1916

6
行く春
Parting Spring
1916年
紙本彩色・屏風(6曲1双) 各183.0×390.0cm
重要文化財
資料によれば、画家は前年の秋とこの年の春まだ浅きころに秩父へ旅行、長瀞(ながとろ)から4里の川下りを楽しんでいる。そのおりの自然の大景観が制作のモティーフになっていることは間違いないだろうが、ここに描き出されているのは、対岸の巌にあわい光が映え、その照り返しに水のぬるみも感じられる桜花散る爛漫の春の景である。たおやかな情感を平明に表現するこの画家には珍しく、体験から制作への間に、一大構想が練られたように思われる。官展の中心作家として、またこの前年に東京美術学校教授に就任した玉堂は、画家として充実したその時期のみなぎる制作意欲に駆られて、自然の造化の力と季節のうつろいを統含した自然の大テーマの実現に向かったのではなかろうか。花鳥画の四条派と骨法の狩野派をあわせ学んだ玉堂は、それぞれから学んだものを駆使して、うつろいのうちに観照されるやさしい自然と造化の力を示す雄渾な自然の景観とを、ここで一つの画面にまとめあげている。しかし、そうした大テーマであっても、玉堂は、自然の理法の表現のために、経験的な生活者の情感を切り捨てることなく、大自然の力とともに生きる人々の暮らしに目を向けている。
3般の水車舟は川下りの観光船ではない。いずれも岸につなぎとめられた舟の中では、水車を利用して穀物がひかれているのであろう。第l0回文展出品作。

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