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木造阿弥陀如来坐像

もくぞうあみだにょらいざぞう

概要

木造阿弥陀如来坐像

もくぞうあみだにょらいざぞう

木像 / 鎌倉 / 中部

鎌倉初期

岡崎市藤川町の浄土宗西山深草派寺院・称名寺の本堂に本尊として安置される阿弥陀如来坐像で、木造、寄木造り、玉眼、漆箔、像高87.0㎝。
形状は、螺髪をやや細かめの粒状に彫出し(髪際43粒)、肉髻朱・百毫相をあらわす。耳朶環状とし、三道相をあらわす。衲衣は左肩をおおい、右肩に少し懸かって正面にまわり、端はふたたび左肩に懸かって背部に垂れる。下衣や覆肩衣をあらわさず、腹部正面で折り返す衣縁に複雑な襞をつくらない、シンプルで古典的な着衣表現である。左手は屈臂し、膝上で掌を仰いで第1・第2指を相捻じ、右手は屈臂して右胸前で掌を前に向け、第1・第2指を相捻じ、来迎印を結ぶ。結跏趺坐する。
構造は、頭体別材(頭部はヒノキ材、他は一部カツラ材併用か)とし、頭部は両耳後ろ約2cmのところで前後に割矧ぎ(木芯は正面前方にはずす)、内刳りを施し、玉眼(水晶製)を嵌入する。肉髻部は別材を前後に寄せ、内刳り、前半3箇所、後半1箇所で枘挿しとする。体幹部は正中で左右二材を寄せて内刳りし、三道下3cm位置で頭部を首枘挿しとする。左半材の底面を一部棚板状に刳り残す。体背部に、別材の背板(地付き幅22.5㎝×高46㎝)、その上部に横木で肩材(幅約23㎝×高約5㎝)を矧付け、右体側材との間にマチ材(幅最大9㎝×高50㎝余)を入れて、一括、浅く内刳りする。左体側部は肘位置で前後に二材を寄せ、肩口および袖口上半部を矧ぎ、各内刳り、左手首先を袖内に挿し込み矧付けとする。右は肩・肘・手首で矧ぎ、右腿付け根部に三角材を矧付け、内刳りする。両脚部に横木一材、裳先前後二材(前方材後補)を矧ぐ。各部は一括して内刳りを施し、丸刀で細かく浚い、黒漆塗りとする(一部に布貼り)。玉眼は内刳り側から漆で塗り込め、左右各上二本、下二本の竹釘の頭が現れることが確認されている。螺髪部を除いて錆下地漆箔、右肘など一部に布貼りを残す。
保存状態は概ね良好であるが、螺髪の一部を欠失し、白毫を亡失する。肉髻朱は後補であり、左第2・3指の指先、第5指、右第2・3・4指の指先、第5指に後世の補修が認められる。裳先前方材および表面漆箔後補(顔、右上腕など一部に当初の断文・漆箔を残す)、光背、台座も後補である。
     

単位はすべて㎝。像高87.0,髪際高75.0,頂―顎29.8,膝張72.0,面長17.6,膝奥47.0,面幅16.2,坐奥(裳先奥)55.5,耳張21.2,膝高(左)12.5,面奥22.0,(右)13.0,肘張51.8,胸奥26.3,腹奥30.4。

1軀

愛知県指定
指定年月日:20140801

有形文化財(美術工芸品)

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キーワード

矧ぐ / / /

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