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蔵王町指定文化財 太刀

ざおうまちしていぶんかざい たち

概要

蔵王町指定文化財 太刀

ざおうまちしていぶんかざい たち

金工 / 鎌倉 / 東北

安家

鎌倉時代/1192~1333

鋼製

長さ78.8㎝、反り2.5㎝

1振

蔵王町指定
指定年月日:20140331

有形文化財(美術工芸品)

銘によると備前国の刀工安家の作になる太刀で、姿、鍛え、刃文の様子から鎌倉時代の太刀と断定でき、全体に細身であることから儀礼用と推測される。磨り上げなど後世の改造が施された形跡もなく、比較的健全な状態で保存されている。この太刀は、白石城主片倉家中の医師千葉道悦によって貞享5年に刈田嶺神社に奉納され、神社では『白鞘御宝刀』と呼び宝物として伝えてきた。大正9年に重要美術品調査の対象となったことが鞘書されている。太平洋戦争後のGHQによる武器接収によって神社の元から離れて以後消息不明となり、神社側では処分されたものと考えていたが、太刀の鞘書から貴重な宝刀であると感じ取ったGHQ従軍牧師アレキサンダー氏によって保護され、処分を免れていた。アレキサンダー氏はこの太刀を伴って帰国し、自宅で保管していた。昭和50年頃、日本人留学生がアレキサンダー氏宅を訪ねた折偶然この宝刀が目に止まり、神社側に連絡したことで消息が判明、地元氏子らの働きかけにより昭和63年に返還された。この太刀は鎌倉時代という古い時期の作として比較的健全な状態を保っており、刀剣資料としての価値は高いと考えられる。また、それに加えて、地域随一の神社に対する奉納刀であるとともに、太平洋戦争後の一連の経緯から当時の時代背景や地域事情などを読み取ることができ、郷土史料としての価値も認められる。

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キーワード

太刀 / 備前 / / 刀工

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