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西安寺跡

さいあんじあと

概要

西安寺跡

さいあんじあと

史跡 / 近畿 / 奈良県

奈良県

西安寺は大和川左岸に位置する飛鳥時代創建の寺院である。塔跡は、塔心礎・四天柱礎石が抜き取られていたものの、側柱礎石3個、礎石抜取穴1基、良好に遺存する乱石積み基壇が検出された。基壇は一辺13.35m、高さが0.91mである。礎石には柱座と地覆座が造り出されている。基壇外装は乱石積みで、花崗岩を中心とした石材で4段分が確認された。乱石積み下段部には細弁十六弁軒丸瓦が挟まっており、乱石積み裏込めに凝灰岩片が混入していた。このことから、乱石積み基壇は改修されたものであり、当初は凝灰岩切石積み基壇であった可能性もある。出土した瓦には素弁の軒丸瓦も含まれるが出土量は少なく、出土量が最も多い7世紀後半の細弁十六弁軒丸瓦と三重弧文軒平瓦の組み合わせが塔創建期に使用された瓦と考えられる。塔跡の北側では、礎石2個と礎石抜取穴1基、版築層や基壇東端に伴う石列が確認された。これが金堂跡の可能性が高い。このことから、四天王寺(山田寺)式伽藍配置であると想定される。
舟戸神社の北西でおこなった調査のトレンチ西端では、南北溝が確認されている。これが築地の雨落ち溝とみられ、発掘調査で確認された塔跡などと主軸が同じである。この溝が寺域の西端である可能性が高い。この他、舟戸神社周辺には、発掘調査で確認された主軸に平行する地割りが東側に、直交する地割りが北側と南側に残っており、これらが寺域を示していると考えられる。

北葛城郡王寺町舟戸2丁目4189番地

奈良県指定
指定年月日:20190222

宗教法人 舟戸神社

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キーワード

/ 基壇 / 金堂 /

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