トルソ

彫刻  金属像 / 大正 / 日本 

戸張孤雁 (1882-1927)
とばりこがん
1914年(大正3)年
ブロンズ
H20.0

 高さ20cmの小品であるが、腰部から腹部、腹部から胸部へと、なだらかな起伏を示す量塊と、わずかにひねられた上半身の動勢など、豊かな表現を見せる、堂々とした作品である。東京。日本橋に生まれた孤雁は、もともと画家を志して渡米する。しかし、才気あふれる彫刻家、荻原守衛を通じてロダンに傾倒し、彫刻に転向した。
 この「トルソ」の根底にあるのは、人間の生命に対するロマンチックな感動であり、その作風は、デリケートな形体把握と、みずみずしい肉づけの美しさを特徴とする。孤雁はモデルを表面的に写しとる当時の文展アカデミズムに疑問を抱き、生命感にあふれる新鮮な写実主義へと向かう。その意味で彼は、写真的な真実を排し、生きた真実をめざすロダンと荻原の系譜を引き継ぐ彫刻家といってよい。荻原の臨終に際して、孤雁が「折角開かれんとした我が彫刻界が、彼の早逝によって残念にも解し得ず、旧の杢阿弥に還った」と嘆いたのも無理はない。(中谷伸生)

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