紙本著色結城合戦絵詞
しほんちゃくしょくゆうきかっせんえことば
概要
「結城合戦絵詞」は、永享十八年(1438)、鎌倉公方足利持氏(1398ー1439)が幕府に叛いて嫡男とともに討ち取られ、下野に下った次男春王、三男安王をかくまった結城氏朝以下一門もまた滅ぼされる結果となった永享の乱をテーマとした作品である。永享の乱、あるいは結城合戦に関する記事は、もっとも成立の古いとされる『結城戦場記』を頂点として実録的な性格に重きを置いた『永享記』の系統と、これに文学的潤色をほどこした物語的系統との二系統に分類される。このうちの後者に属し長享二年(1488)に成立した『鎌倉殿物語』の詞章と本絵詞の詞書とは共通する部分が多い。