風景

絵画  水彩 / 昭和以降 / 日本 

野田英夫 (1908-1939)
のだひでお
1932(昭和7)年
水彩・紙
19.5×12.6
額装

 野田英夫は一九三四年暮れ、不況下のニューヨークから来日、その四年後に亡くなった日系二世である。身辺に明るい気分をふりまきながら三〇年代の日本を駆け抜けたこの青年は、多くの友人を持ち、三十一歳でのあまりにも若い死をだれからも惜しまれた。
 野田の明るさは生来のものだろうが、それに「アメリカ」が加わっていることは間違いない。同時代の日本の画家たちが「ヨーロッパ」と必死に格闘していた時、彼は少しずれた場所に立って自分を相対化することができた。 幼少年期を日本で過ごし、美術の基礎はアメリカで培ったという二重の生活も、社会を眺める彼の目に、矛盾や疑問に対しての問いかけをやめることなく、しかし現実はそういうものと冷静に判断する余裕を与えるための、またとない経験となっている。
 この小品「風景」も、こんな風に家があり、こんな風に自転車が道を横ぎっただろうアメリカのどこかの一風景である。一見、松本竣介みたい、と感じる人がいてもおかしくはない。松本竣介は野田から多くのものを得ているし、社会への関心と人間への興味にははじめから通底するものがあったので、その上で松本はあの透明で静かな世界にたどり書いたのである。(東俊郎)

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