世界遺産と無形文化遺産

世界遺産条約履行のための作業指針

Ⅲ 世界遺産一覧表への資産登録の流れ

III.B 登録推薦の書式及び内容
129.
世界遺産一覧表登録推薦書は、 付属資料5に示す書式に従って作成すること。

130.
当該書式には、以下の項目が含まれる。
1. 資産の範囲(Identification of the Property)
2. 資産の内容(Description of the Property)
3. 登録の価値証明(Justification for Inscription)
4. 保全状況及び資産へ影響を与える諸条件(State of Conservation and Factors Affecting the Property)
5. 保護管理(Protection and Management)
6. モニタリング(Monitoring)
7. 資料(Documentation)
8. 管理組織の連絡先(Contact Information of Responsible Authorities)
9. 締約国代表署名(Signature on behalf of the State Party(ies))

131.
世界遺産一覧表登録推薦は、見た目よりも内容に基づいて審査される。

132.
登録推薦書が「完全 」であると認められるためには、以下の要件を満たす必要がある。


1. 資産の範囲(Identification of the Property)


推薦する資産の範囲(境界線)を明確に示すこと。なお、(緩衝地帯が存在する場合は)登録推薦資産と緩衝地帯の区別を明確にすること( 第103~107段落参照)。地図は、陸上及び/又は海上のどの範囲が登録推薦されているのかを正確に判別できる十分詳細なものであること。できれば、当該締約国の最新の公式地形図に資産の境界線を注記したものをあわせて提出すること。明確に範囲(境界線)が示されていない登録推薦書は、「不完全」とみなされる。

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2. 資産の内容(Description of the Property)

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資産の内容には、資産の特徴及び資産の歴史と変遷についての概要が含まれる。地図に記載されているすべての構成要素の特徴と解説を記述することが求められる。特に、「連続性のある資産」の登録推薦を行う場合は、構成要素のひとつひとつを解説するようにすること。

歴史と変遷には、当該資産がどのようにして現在の形に至ったのか、又、過去にどのような重大な変化を経てきたのかについて記述すること。ここでは、当該資産が顕著な普遍的価値の基準及び完全性及び/又は真正性の条件を満たすことを示すための論拠として重要な事実について提示すること。


3. 登録の価値証明(Justification for Inscription)


本項では、当該資産の登録推薦の根拠となる世界遺産基準第77段落参照)を示し、基準ごとにその基準を採用した明確な論拠を示すこと。その基準に従って、 顕著な普遍的価値の宣言第49~53段落 及び第155段落参照)に当該資産が世界遺産一覧表登録に値すると考えられる理由を分かりやすく記述すること。又、当該資産を、国内外の類似の世界遺産、その他の資産と比較した 比較分析を行うこと。比較分析では、当該資産の国内での重要性及び国際的重要性について説明すること。 完全性/真正性の宣言として、当該資産が第78段落から第95段落 に示された条件を満たすことを証明すること。
資産を世界遺産一覧表登録推薦する際に締約国により行われる比較分析と、委員会の要請により諮問機関が行うテーマ別研究を混同しないように注意( 第148段落参照)

決議 7 EXT.COM 4A参照

4. 保全状況及び資産へ影響を与える諸条件(State of Conservation and Factors Affecting the Property)


本項では、資産の現在の保全状況に関する正確な情報(資産の物理的状況及び実施されている保全措置に関する情報等)を記載すること。また、資産へ影響を与える諸条件(脅威等)についても記述すること。本項に記載される情報は、登録推薦資産の保全状況を将来モニタリングする際に必要なベースラインデータとなる。


5. 保護管理(Protection and Management)


保護:
第5項には、資産の保護に最も関係のある、法的措置、規制措置、契約による措置、計画的措置、制度的措置及び/又は伝統的手法による措置の一覧を示し、当該措置による保護が実際にどのように機能するのかについて詳細な分析を示すこと。又、法令文、規制条文、契約分、計画及び/又は制度に係る文書、若しくは当該文書の要約、を英語又はフランス語で添付すること。
管理:
適切な管理計画その他の管理体制が不可欠であることから、これらについて登録推薦書に示すことが必要である。又、管理計画その他の管理体制の効果的な履行をいかに担保するかについても示すことが期待される。

管理計画又は管理体制についての文書を1部登録推薦書に添付すること。存在する管理計画が英語またはフランス語でない場合は、管理計画の規定について英語又はフランス語で詳しく解説した資料を添付すること。

管理計画、又は管理体制に係る文書について詳細な分析、解説を行うこと。

上記の資料を含まない登録推薦は、第115段落に示したように、管理計画が整備されるまでの間の資産管理についての指針を示した他の文書が提出されない限り不完全とみなされる。


6. モニタリング(Monitoring)


締約国は、資産の保全状況を測定するための主要な指標、影響を及ぼす諸条件、資産の保全措置、調査頻度及び責任を有する管理機関について提示すること。


7. 資料(Documentation)


登録推薦に必要な資料として、上記の資料に加えて、写真、35mmスライド、映像資料目録及び写真使用承諾書を提出すること。登録推薦書本文は、出力したものに加えて電子書式(フロッピーディスク又はCD-ROM)で提出すること。


8. 管理機関の連絡先(Contact Information of Responsible Authorities)


管理機関の詳細な連絡先を示すこと。


9. 締約国代表署名(Signature on behalf of the State Party)


登録推薦書の最後に、締約国を代表して署名する権限を与えられた政府職員による直筆の署名を付すこと。


10. 必要部数



文化資産の登録推薦(文化的景観を除く):2部

自然資産の登録推薦:3部

複合資産及び文化的景観の登録推薦:4部


11. 用紙及び電子書式


登録推薦書には、A4(または「レター」)サイズの用紙を用いること。又、電子書式(フロッピーディスク又はCD-ROM)をあわせて提出すること。なお、コピー複写しやすいように、製本せずに ルーズリーフにとじたものを少なくとも1部* 提出すること。


12. 送付


締約国は、英語またはフランス語で登録推薦書を作成し、しかるべく署名された登録申請書を下記に送付すること。


UNESCO World Heritage Centre
7, place de Fontenoy
75352 Paris 07 SP
France
Tel: +33 (0) 1 4568 1136
Fax: +33 (0) 1 4568 5570
E-mail:wh-nominations@unesco.org
133.
事務局は、登録推薦書とともに提出されたすべての資料(地図、平面図、写真等)を保管する。

* ルーズリーフの提出部数も必要提出部数にカウントされる。
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