世界遺産と無形文化遺産

世界遺産条約履行のための作業指針

Ⅲ 世界遺産一覧表への資産登録の流れ

III.E 諮問機関による審査
143.
諮問機関は、締約国によって登録推薦された資産が顕著な普遍的価値を持つか、完全性及び/又は真正性の条件を満たしているか、また、必要な保護管理上の要件を満たしているかどうか審査を行う。ICOMOS及びIUCNの審査の手順と書式を 付属資料6に示す。

144.
文化遺産に係る登録推薦の審査はICOMOSが行う。

145.
自然遺産に係る登録推薦の審査はIUCNが行う。

146.
「文化的景観」に分類される文化資産の登録推薦の場合は、ICOMOSがIUCNと適宜協議しながら審査を行う。複合資産の場合は、ICOMOSとIUCNが協同で審査を行う。

147.
世界遺産委員会から要請された場合やその他必要な場合は、ICOMOSとIUCNは、世界遺産資産を地域的コンテキストや世界的コンテキストにおいて評価するための テーマ別研究を実施する場合がある。この研究は、締約国により提出された暫定リストの見直しや、暫定リストの統合に係る会議報告書、さらに諮問機関及び資格のある機関・個人により実施されたその他の技術的調査を考慮に入れて行われる。現在までに実施されている研究の一覧表を、 付属資料3のセクションIIIに示す。また、各諮問機関のホームページにも当該一覧表は掲載されている。なお、これらの研究は、締約国が世界遺産一覧表への資産登録推薦の際に行うこととされている 比較検討第132段落参照)とは別のものである。
ICOMOSHomepage


IUCN Homepage

148.
以下に、ICOMOS及びIUCNの審査及びプレゼンテーションに係る原則を示す。審査及びプレゼンテーションは、
決議 28 COM 14B.57.3参照

a) 世界遺産条約及び関連する作業指針、委員会決議に示された追加方針に準拠する。


b) 客観的かつ厳正な科学的審査を行う。


c) 一貫した専門性を保つ。


d) 審査とプレゼンテーションの両方において、事務局との合意のもとに採用する標準書式を用いて、現地調査を実施した審査員の名前を明記する。


e) 資産が顕著な普遍的価値を有し、完全性及び/又は真正性の条件、管理計画/体制及び法的保護の条件を満たしているかについて、明確に個別に述べる。 *


f) 各資産を、保全状況を含む関連基準の全てに体系的に照らしあわせて、相対的に評価する。すなはち、当該締約国内外の同種の他の資産との比較を行う。


g) 検討対象の登録推薦に係る関連委員会決議及び要請を参照する。


h) 登録推薦の検討が行われる年の3月31日を過ぎて締約国から提出された情報は一切考慮しない。締約国からの情報が期限を過ぎてから到着し、審査上考慮されない場合は、当該締約国に対しその旨を通知する。本提出期限は厳密に執行される。
決議 28 COM 14B.57.3参照

i) 適宜、見解の妥当性の裏付けとして、参考とした文献等の一覧表を示す。

149.
諮問機関は、審査結果の審議を行ったのち、締約国に対して質問、追加情報の提供を求める場合は、 1月31日までに締約国に通知するように努めること。
決議 7 EXT.COM 4B.1参照
150.
関係締約国は、諮問機関による審査結果に、事実に関する誤りを認めた場合は、委員会会合開催の2日前までに(休日を除く)、詳細を記した書簡を議長に送付することができる。その際、諮問機関に対しても、その写しを送付すること。なお、当該書簡は、作業言語に翻訳され、委員会メンバー国に配布される。場合により、審査結果のプレゼンテーションが(諮問機関から)行われた後に議長によって読み上げられることがある。
決議 7 EXT.COM 4B.1参照
151.
ICOMOS及びIUCNは以下の3つのなかから勧告を行う。
a) 無条件で登録を勧める資産
b) 登録を勧めない資産
c) 情報照会・登録延期の勧告

* 原文の英文に不備あり。
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