絵画 油彩画 / 大正
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岸田劉生
(1891-1929)
- きしだりゅうせい
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1923
- 油絵具,カンヴァス
- 53.3×45.8
- 神奈川県立近代美術館
「これは余の肖像画の中でも最もすぐれたものであらう」と、劉生は完成した日の日記(1923年4月15日)に書いている。前の年から描きはじめて、かなり時間をかけて仕上げた一点である。着物は、麗子像にしばしば見られる赤い総しぼり柄のもの。切れ長の眼を強調した冷たい麗子の表情には、ある種の凄みが感じられる。緻密に描写された着物の細かな柄としっとりと重量感のある質感が、その魅力をひときわ際立たせている。1923年5月の第1回春陽会展に出品された