御所野遺跡 ごしょのいせき

史跡

  • 岩手県
  • 二戸郡一戸町
  • 指定年月日:19931221
    管理団体名:一戸町(平28・5・24)
  • 史跡名勝天然記念物

 御所野遺跡は、岩手県北西部の内陸山間部の一戸町に所在する。この地域をぬうように北に流れる馬淵川の右岸に位置し、標高約一九〇〜二〇〇メートルの中位段丘上に立地する。広い所で幅一二〇メートルほどの平坦な台地が、東から北へ弧状に五〇〇メートルほど続き、台地上の平坦面は約六ヘクタールの広がりをもつ。周囲にはケヤキやブナの林が茂り、クリ・アケビなどが実り、縄文時代を彷彿させる豊かな自然環境が残っている。
 ここに一戸町の農工団地造成が計画され、平成元年に町教育委員会によって事前調査が開始された。その結果、遺跡の重要性が認識され、翌年度から平成四年度まで保存を前提に遺跡の広がりや内容を確認するための調査が実施された。
 本遺跡は、縄文時代中期後半に営まれた大規模な集落が中心となる。その後も奈良時代から平安時代の初頭には終末期古墳が構築されている。古墳の墳丘はすでに失われているが、いずれも馬蹄形の周溝をもち、外径で八〜九メートルの規模をもつ。合計二〇基が確認できた。さらに平安時代後期の集落が東側と西側の地域に営まれ、竪穴住居と土抗・溝などが検出されている。また中世には台地の西側が城館として利用されたらしく、竪穴遺構が発見されている。このように縄文時代以後も継続的に台地が利用されていた。
 縄文時代中期半ばの円筒上層d・e式あるいは大木8a式土器が用いられた時期に、この台地上の東側・中央・西側の三地点で人々の居住が始まる。次の大木8b式期になると、中央地点に環状配石遺構群とよぶべきものや盛土遺構が新たに構築され、集落は盛期を迎える。その後、三地点とも中…

御所野遺跡 ごしょのいせき

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