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難波田龍起(1905− )
NAMBATA,Tatsuoki
青い陽
Blue Sunlight
1961(昭和36)年
難波田龍起は18歳のときに高村光太郎と出会い、芸術家を志して以来、一貫して生の表現に関心を持ち続けている。この作品も、絵具をしたたらせる手法には一見ポロックの抽象表現主義絵画の影響が感じられるけれども、難波田の絵具のしたたりは、ポロックのように均一ではない。
ここでは明らかに背景としての空間に対して、あるかたちのイメージが生成しつつあることが認められる。それはまさしくカオスからの生命の誕生であり、難波田の迫求してやまない心象風景なのである。