渾天儀 こんてんぎ

民俗 / 江戸

  • 中邨尚潤(漆工),黒川成清(木彫)
  • なかむら(?),くろかわ(?)
  • 富山県高岡市
  • 江戸時代後期
  • 木・漆工・木彫
  • 最大径54.5cm×高さ61.0cm
  • 1
  • 富山県高岡市古城1-5
  • 資料番号 2-07-26
  • 高岡市立博物館蔵
  • 高岡市指定文化財

渾天儀とは本来は天体の位置を測定する器具であるが、江戸後期には太陽と月の動きを説明する器具として利用されていた。暦学を志す人には便利な器具で、この原理を発展させたものが、現在のプラネタリュームである。
 富山市天文台のホームページによると、渾天儀は現在のところ全国に本資料を含めて42点が確認されており、県内では南砺市(旧城端町)教育委員会所蔵品と当館蔵品の僅か2点で、非常に貴重なものである。
 中心に細かく描かれた地球儀を配し、細かな表現がされた木彫の龍の支柱や天体の軌道や台座には漆が塗られており、本資料は文化9年(1812)に小原治五右衛門(一白)が制作した南砺市教委蔵品に比べると、多分に装飾的、趣味的なものであるといえよう。また、木彫・漆工ともに高岡(高陵は高岡の雅名)の工人の手になるもので、高岡の工芸史上においても特筆すべき資料といえる。
 加賀藩を代表する十村・川合家にゆかりの資料である。

渾天儀 こんてんぎ
ページトップへ