夕映の流

油彩画 

斎藤豊作 (1880-1951)
サイトウ、トヨサク
大正2年/1913
油彩・キャンバス・額・1面
65.5×161.0
左下に署名
7回文展 竹之台陳列館 1913

53
タ映の流
Stream in the evening g1ow
1913(大正2)年
油彩、麻布 65.5×161cm
oil on canvas
第7回文展(褒状)
斎藤は、美術学校で黒田清輝に、渡仏後はコランに学びながらも、やがてその平明な外光派絵画から離れ、さらに新しい表現を新印象派的な手法のなかに求めていった。斎藤が最も好んだという画家の一人で、官展系ながら新印象派の影響を受けていたアンリ・マルタン(1860ー1943)の点描画法について斎藤は「画面全体の綜合や情趣の深みや又無限のSentimentを表現すべき思想上から来た一種の方便」と述べている。これはマルタンの画風についての説明であると同時に、斎藤自身が求めていた表現ではなかったろうか。というのもこのブルターニュを描いたかと思われる〈タ映の流〉に見られるように、豊かな色彩による点描画法は、けっして新印象派の理知的な外光の分析によるものではなく、景観に対する心情を投影するために、いわば主情的に用いられているからである。そこでは、ゆるやかに蛇行する川面に輝く光と黄昏の静謐で感傷的な雰囲気が表されている。文展発表当時の批評を見ると、石井柏亭によって「一筆々々の点々は単調に失して興味を欠いている」とされ、その手法はかならずしも理解されなかったようだが、森田亀之輔によって「素朴な美しい言葉で綴った自然の詩である」と評され、そこに示された詩情に共感が寄せられていた。

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