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緋威五十二間四方白星兜

ひおどしごじゅうにけんよほうしろほしかぶと

概要

緋威五十二間四方白星兜

ひおどしごじゅうにけんよほうしろほしかぶと

工芸品 / 南北朝 / 関東 / 東京都

東京都

南北朝

兜鉢は鉄板矧合黒漆塗り、五十二間の星鉢で、鉄の無垢星を四十行打つ。一行は十九点ずつで、下端の一点は金銅星とする。四方白は、金銅地板を張り、前には三条の鎬垂を伏せ金銅星五行四点、後には二条の鎬垂を伏せ金銅星二行三点、左右には金銅星を三行十九点を打つ。筋、斎垣ともに金銅とした総覆輪星兜で、頂辺には金銅八幡座(魚子地菊枝紋鋤彫座、透菊座、小刻二重、立菊座、玉縁)を打つ。響孔はない。後の笠印付の鐶は金銅菊紋の薄肉彫り。眉庇は緑地花文の錦包とし、紅五星韋の小縁をめぐらして、白、紺、紫の色糸の伏縫を施し、金銅覆輪を付ける。鍬形台および祓台は、金銅魚子地菊枝文彫で、鍬形台の中央には三盛菊円文透の金銅据文金物一箇を、左右には八重菊笠鋲をそれぞれ打ち、金銅鍬形と利剣前立を付ける。しころ(革毎)は、革製黒漆塗盛上げの本札で、鉄一枚交ぜとする。、仕立ては五段下がりで四段を吹き返す。威毛は紅糸で、耳糸は亀甲打、畦目は啄木打、菱縫は紅糸二段で施す。吹き返しの錦包は欠失し、小縁韋のみ残り金銅丸鋲で留め、上端隅に三盛菊円文透の金銅据文金物を打つ。しころ(革毎)一の居たの鉢付五方に金銅八双金物を付し、八重菊の金銅双鋲を打つ。鉢裏には縹の麻布をあて、兜緒は白の麻布を折畳、左右後の三方の金銅丸鐶に結び先端を垂れる。

鉢高13.2  鉢前後径22.1  鉢左右経20.1  (㎝)

1頭

東京国立博物館文化庁分室 東京都台東区上野公園13-9

重文指定年月日:19550202
国宝指定年月日:
登録年月日:

国(文化庁)

国宝・重要文化財(美術品)

鍍金総覆輪、金具廻錦包、紅糸威の華麗な兜で、形状よく整い、精緻な手法を駆使した兜である。鉢の技巧的な作りや笠形のしころ(革毎)、三鍬形台の菊枝紋鋤彫りなどから南北朝時代の作と考えられ、数少ない遺例である。

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