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花鳥文様象耳付大花瓶

かちょうもんようぞうみみつきだいかびん

概要

花鳥文様象耳付大花瓶

かちょうもんようぞうみみつきだいかびん

金工 / 明治 / 中部 / 富山県

富山県

明治

 法量 高74.0 口径42.3(単位㎝)。
 黄銅鋳製、頚、胴、三脚と基壇からなる大型の花瓶。頚は太く口縁で外反し、左右に象耳を取り付ける。胴は倒卵形で、頚との境に2条の紐帯を巡らし、紐帯の間に花文を金で布目象嵌する。脚は獣面をもつ獣足3本を出し、2段からなる基壇にのせる。頚は片面に双鳳凰に唐花、もう片面に双龍に唐花、胴は椿樹、百合、秋海棠などの花樹と鶴、小禽を金、銀、赤銅、四分一などの色金で高肉象嵌、布目象嵌などで華やかに表わす。基壇の文様は上面は唐花唐草文を金布目象嵌、銀平象嵌とし、上段縁は雷文を銀の線象嵌、下段縁は金布目象嵌、銀箔押の花弁帯を巡らす。
 胴底裏に「金森宗七」の線刻銘がある。

1口

富山県富山市本丸1-62(富山県富山市本丸1-33)

重文指定年月日:
国宝指定年月日:
登録年月日:19990330

登録美術品

本作品の制作者は不明であるが、海外貿易も力を注いだ有力な高岡銅器製造販売商、金森宗七が高岡銅器を世界に発信するために制作を依嘱した作品であり、1900年のパリ万国博覧会に出品されたと思われる。明治前半期に我が国から海外発信された工芸品の中でも、この作品は質が高く、この種の金工品のまさしく代表作と言えるものである。また、本作品に用いられている文様は、西洋に日本の美の高さを紹介するために考案されたデザインの代表例であり、例えば、把手の象の立体彫刻はオリエンタリズム、鳳凰の文様は日本の古典、花鳥(鶴)の図柄は江戸の装飾的絵画を用いている。

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