文化遺産オンライン

木造地蔵菩薩立像〈善円作/〉

概要

木造地蔵菩薩立像〈善円作/〉

彫刻 / 鎌倉 / 関東 / 東京都

善円

東京都

鎌倉/1240

1躯

東京都台東区上野公園13-9

重文指定年月日:19940606
国宝指定年月日:
登録年月日:

薬師寺

国宝・重要文化財(美術品)

 左手に宝珠、右手に錫杖を執る三尺の地蔵菩薩像で、飛雲に乗り、腰をかがめて上体を前傾させ、右足を踏み出す大きな動勢の表現に特色がある。来迎、あるいは春日明神の本地仏【はんちぶつ】としての影向のさまを表したものとみられる。
 納入願文により、延応二年(一二四〇)、東大寺慈恩院僧の俊幸を願主とし、善円によって造られたことがわかる。善円は十三世紀前半の南都で活躍した仏師で、嘉禄元年(一二二五)の東大寺釈迦如来坐像(重要文化財)などの遺品がある。建長元年(一二四九)に西大寺釈迦如来立像(重要文化財)を造った善慶は従来その後継者ともみなされていたが、本像の願文に善円の年齢四四歳とあって、彼の生年が、既に知られている善慶のそれと一致することが判明した。善慶が善円と入れ替わるように活動を始めていることや、両者の作風に連続性が認められることなどから考えれば、善円が改名して善慶と名のった可能性が高い。
 檜材の寄木造、頭・体部は別材製で、それぞれ前後矧とする。頭部前面材から胸部襟際までを造り出し、また体部前面材は両前膊および袖口までを含む。足首以下を別材製とし、体部材から出る足〓に差し通す技法は、やはり足首以下を別材で造る清凉寺釈迦如来立像(国宝)のような宋代彫刻から取り入れたものであろう。玉眼嵌入、彩色仕上げ。願文に彩色仏師として記される円慶は他にも南都での活動が知られ、彩色は絵画資料としても貴重である。

木造地蔵菩薩立像〈善円作/〉をもっと見る

善円をもっと見る

国指定文化財等データベース(文化庁)をもっと見る

キーワード

/ 地蔵 / 菩薩 /

関連作品

チェックした関連作品の検索