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白地松鶴亀草花文繡箔肩裾小袖

しろじまつつるかめくさばばなもんぬいはくかたすそこそで

概要

白地松鶴亀草花文繡箔肩裾小袖

しろじまつつるかめくさばばなもんぬいはくかたすそこそで

工芸品 / 安土・桃山 / 近畿 / 大阪府

大阪府

桃山

丈が短く童子用と考えられ、その形態は身幅が広いわりには袖幅が狭く、立褄も短く、袂の丸みは隅を折り畳んで糸で括っている。また表裏共白練緯地の袷仕立てで、表には、肩の前後および前裾を洲浜形に画し、四季の草花や松竹梅鶴亀などを多彩な色糸で刺繍して、隙間には金銀箔を押した繍箔の肩裾小袖である。

身丈84.5 裄40.0 袖幅17.5 袖丈40.0 
前幅19.5 衿肩あき9.0 衿幅6.5 衽幅7.7 衽下がり9.5 衿下10.8  (㎝)

1領

泉大津市立織編館 大阪府泉大津市旭町22-45

重文指定年月日:19940628
国宝指定年月日:
登録年月日:

泉大津市

国宝・重要文化財(美術品)

 文様の配置は、四季草花と常磐文様が左右の片身替りとなっており、その繍技は裏抜きの渡繍によりおおらかで柔らかく、配色は紅がちな明るさを示すなど、形態を含めて総体に桃山時代の小袖類に共通する特色が豊かである。
 なお背裏に墨書銘があって、この小袖が寺に寄進された後に法会にともなう稚児の装束として転用されたという経緯、その時期(天正十一年・一五八三)が明記されており、この種の小袖類の数少ない基準作となっている。
 形態や用途・意匠・繍技とも桃山前期小袖の諸特徴が如実に認められ、かつ極めて希少な生な仕立ての童子用小袖、さらに作期がほぼ明らかな繍箔の基準資料としても重要な存在である。

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