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冨嶽三十六景《江都駿河町三井見世略図》

ふがくさんじゅうろっけい えどするがちょうみついみせりゃくず

概要

冨嶽三十六景《江都駿河町三井見世略図》

ふがくさんじゅうろっけい えどするがちょうみついみせりゃくず

木版画

葛飾北斎  (1760-1849)

かつしかほくさい

日本

天保元−天保3年(1830-32)頃

木版多色刷

26.2×38.5cm

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駿河町は現在の日本橋室町。画中の三井とは現在の三越百貨店の前身である呉服屋の三井の越後屋である。いたるところの看板に「現金、掛け値無し」とあるように、全ての商品に定価をつけた商売は大成功を納め、当時の駿河町といえばそのまま越後屋を意味するほどだった。三角の屋根と富士の対比と凧の構図は「東都浅艸本願寺」にも見られたが、「東都浅艸本願寺」が通常見ることのできない高い位置からの視点で描かれているのに対して、本図は越後屋に訪れた客の視点、低い位置から見上げるように描かれている。凧の文字は永寿堂の「寿」であろう。初摺りのイメージの版では職人の服装や遠方の木々に緑色が配されていたが、この版では藍色を主とした配色が施されている。

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