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扇面鳥兜螺鈿蒔絵料紙箱

せんめんとりかぶとらでんまきえりょうしばこ

概要

扇面鳥兜螺鈿蒔絵料紙箱

せんめんとりかぶとらでんまきえりょうしばこ

工芸品 / 安土・桃山 / 近畿 / 兵庫県

兵庫県

桃山

木製黒漆塗。錫置口をつけ蓋と身の周縁に面を取った合口造りの箱で、かすかに甲を盛り、胴張りをつけている。意匠は蓋表から身にかけて鳥兜を置いた扇面を大きく図し、蓋裏には舞楽装束をかけた幔幕を身の内部に連ねて描く。
技法は、蓋表の扇面を沃懸地とし、忍草を付書で描き、そのところどころに銀鋲の露を散らし、骨には金銀の切金と切貝とを交互に敷き詰める。鳥兜には螺鈿と高蒔絵とで施し、金銀の切金や切貝で縁取る。頭部には四つ目葵文の地に中央に金銅据金具を嵌める。この地紋と胴部二段の上部の牡丹文、下部の四つ目亀甲繋文と麻葉繋文とを高蒔絵で描き、金銅の鋲を並べる腰巻をめぐらすが、錣は鉛上に螺鈿をのせて表し、そのもとの部分に山道文を金銀蒔絵で描く。
蓋裏と身の内側の幕の図様は、梨子地に木瓜文を高蒔絵で描き、縁裂は沃懸地に同文をおき、棒は鉛、網は蒔絵、房は切金で表す。舞楽装束は沃懸地に牡丹唐草文を高肉で蒔絵し、四つ重ね菱文を螺鈿で散らす。身側面に金銅雲龍文透彫紐金具をつける。

縦36.6 横32.0 蓋高4.1 身高8.5 (㎝)

1合

財団法人滴翠美術館 兵庫県芦屋市山芦屋町13-31

重文指定年月日:19700525
国宝指定年月日:
登録年月日:

財団法人滴翠美術館

国宝・重要文化財(美術品)

黒漆塗り切面取りの料紙箱で、蓋表には鳥兜を置いた扇面を大きく配し、内部には舞楽装束をかけた幔幕を蒔絵している。大きな螺鈿・切金・切貝・銀・金銅鋲など、各種の技法を駆使し、斬新な意匠を示した桃山時代の特色の強い優品である。

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