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小金古墳群 3号墳

こがねこふんぐん さんごうふん

概要

小金古墳群 3号墳

こがねこふんぐん さんごうふん

古墳 / 近畿 / 三重県

三重県

小金古墳群は、明和町池村に位置する古墳群で、現在10基のまとまりが確認されており、そのうち2号墳、3号墳が三重県によって全面調査されている。周囲には、上村池古墳群・斎宮池古墳群などがあり、町内はもとより、県下でも有数の古墳群密集地域である。
小金古墳群3号墳は、平成20年度に三重県が実施した発掘調査によって径約19m、高さ約2.6mの円墳で、墳丘周囲に周溝をめぐらせ、南西方向に開く横穴式石室を埋葬施設としていることが判明している。
横穴式石室は、両袖式で側壁・天井石も完全に残っているなど遺存状態が良く、全長7.3m、玄室部長さ4.3m、幅1.4m、高さ1.8mの石室を構築していることが確認されている。石室は、玄室が長方形で、羨道が短く、玄室天井の断面が弧状になっている。また玄門の天井石が一段下がってまぐさ石状になっており、これらの特徴は中南勢地域に特有の高倉山型石室となっている。当古墳の石室は、現存する高倉山型石室としては、最も遺存状態が良く、玄門石室の構築過程や石材の使用状態など、構築当初の状態を解明するのに重要な古墳であるとされている。
石室は墳丘の構築前に旧地表面(地山)に墓坑を掘削して設置しており、その上に盛土を8段階に分けて、高さ約1.8m行っている。玄室床面については、墓坑掘削後に整地を行った後、基底石を設置してから貼り床を行っている。玄室奥壁には、他の石よりも大きい高さ0.9mの石を鏡石として設置している。
石室羨門から外側には、約9.8mのびる墓道とそれに伴う墓道側壁が石積みで構築されている。石室の閉塞においては、これら墓道と羨門に設置されている石列までを、土で埋め戻すことで行っている。
古墳の築造年代については、石室内は盗掘を受けていたため、棺等は確認されず、副葬品もほとんど残っていなかったが、玄室内出土の須恵器などによって、古墳時代後期の築造であり、追葬も行われたであろうと考えられている。また、被葬者については、盗掘の影響もあり不明である。
【規模】
  墳丘径:約19m 墳丘高:約2.6m 石室長:7.3m 玄室長:4.3m
  玄室幅:1.4m  玄室高:1.8m 羨道長:3m 羨道幅:1m 
羨道高:1.6m  墓道長:9.8m
【保存状態】
良好。
【時期】
  古墳時代後期(6世紀後半)

三重県多気郡明和町大字池村字小金1998-4

明和町指定
指定年月日:20160323

明和町

記念物

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キーワード

石室 / 玄室 / 羨道 /

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