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オオヨドカワゴロモ自生地

おおよどかわごろもじせいち

概要

オオヨドカワゴロモ自生地

おおよどかわごろもじせいち

植物 / 九州 / 宮崎県

宮崎県

宮崎県小林市

指定年月日:20160301
管理団体名:小林市

史跡名勝天然記念物

オオヨドカワゴロモはカワゴケソウ科カワゴロモ属に属する水生植物である。カワゴケソウ科植物は熱帯から亜熱帯地方を中心に分布し,カワゴロモ属はインド以東のアジアに約10種が分布している。タイ・中国南部等に生育が知られているが,フィリピン・台湾には分布せず,日本では鹿児島県と宮崎県南部に4種が隔離分布(かくりぶんぷ)している。この仲間の植物はほとんどが急流の水中に生育し,流水中に適応した特殊な形態に変化し,種子植物であるが形態はコケ類・藻類のようである。根は平たい葉状体(ようじょうたい)となり岩の表面に広がり,葉は小さな針状(しんじょう)で光合成は根から変化した葉状体で行っている。
本種は昭和3年に確認されたものの,平成11年になり新種記載された,岩瀬川(いわせがわ)にのみに生育する固有種(こゆうしゅ)である。日本に生育する同属の種と比較すると,葉状体が多層(たそう)で厚く堅くなることから,捻れたり,捲れ上がることで,非常に粗剛(そごう)で極めてざらつく特徴がある。このような通常の植物とは異なった特異な形態を示し,隔離分布を示す学術的価値が高い植物である。カワゴロモ属の中でも独特の特徴を持ち,北限にあたる良好な生育地として貴重である。

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