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宇久松原遺跡

うくまつばらいせき

概要

宇久松原遺跡

うくまつばらいせき

史跡 / 九州 / 長崎県

長崎県

宇久松原遺跡は、長崎県佐世保市宇久町平郷に所在する弥生時代の埋葬跡である。遺跡は宇久島東南部に形成された標高6~9mの低い砂丘上に立地し、現在は神島神社境内及び附近の住宅地となっている。砂丘は北から南へとゆるやかに傾斜し、北は神社から20mほどで丘陵に接しており、南は神社から70mほどのところで弥生時代の海岸に接すると推定されている。
明治5(1872)年、付近の畑で1畳ほどの大きさの平たい石とその下から人骨と石剣が発見されたことによって遺跡であることがわかり、昭和から平成にかけて複数回の調査が行われた。
墓地は弥生時代早期から中期、弥生時代後期の2時期からなる。これまでの調査で、支石墓9基、甕棺墓(壺棺墓を含む)35基、石棺墓8基、土壙墓10基、石囲墓1基が出土している。代表的な出土遺物には、甕棺墓・副葬小壺、壺棺墓、貝製腕輪6以上、イノシシ牙製腕輪1対、貝製臼玉66、管玉1、ガラス小玉441がある。
遺跡の特徴として、
①朝鮮半島の墓制である支石墓が多く存在し、朝鮮半島南部にみられるものと同様の貝製臼玉を足首に廻らすなど、朝鮮半島南部との関連を強く示しており、弥生時代開始期の状況をよく残している。
②副葬小壺や壺棺の型式には、北部九州の弥生時代早期から前期の土器の特徴が明確に示されており、海を介した人々の動きを伝えている。
③墓に埋葬された人骨は、西北九州弥生人の形質人類学的特徴を備えている。
④埋葬された人々に占める小児・幼児の割合が、他の墓地に比べて高い。
⑤副葬品に琉球列島に特徴的に生息するオオツタノハやイモガイを使った腕輪や垂飾があり、弥生時代前期後半以降さかんになる琉球列島との貝交易のさきがけを示している。
⑥古墳時代の地下式板石積石室墓につながる特徴的な石棺墓をもつ。
⑦弥生時代後期に、多くのガラス玉を伴う特別な人物が存在したことを伝えている。

長崎県佐世保市宇久町平2525番地

長崎県指定
指定年月日:20131004

宗教法人 神島神社

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キーワード

/ 弥生 / / 遺跡

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