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殿入ザクラ

どのいりざくら

概要

殿入ザクラ

どのいりざくら

植物 / 東北 / 山形県

山形県

 エドヒガン 一幹(樹高14.59m、目どおり6.74m、根まわり8.71m)
 白鷹町に残るエドヒガンの古木の一本。白鷹町役場より南西方向に約5.6km。最上川の東岸。国道287号、長井市と白鷹町との境より北東へ約100m入った南向きの斜面の中腹、古峯神社の下にあり、殿入ザクラと呼ばれている。周囲は高台の公園(殿入公園)として整備されており、周囲にはさまざまな種類の桜が植樹されており、管理も行き届いている。また、西方には背景に広がる朝日連峰や田園風景が広がり、眺望もとても良い。
 段丘状に整地された西南の角に位置し、根本の一部は斜面にかかっている。樹高約2mから3mの位置で3方に枝が張り、それぞれの枝がさらに枝分かれして広範囲な広がりを見せている。樹勢は旺盛である。
 宝暦年間(18世紀中頃)に著された『鮎貝古物語』の中に、「渡し舟の行く帰り、春はとりわけ、荒砥の御役屋周りの桜、浅立の山々の桜眼前に見える。」とあり、「浅立の山々の桜」が現在の殿入ザクラと考えられ、古くから地域の人々に親しまれてきたことがわかる。
 文政12年(1829)米沢藩主上杉斉定が領内巡視のおり立ち寄り、花を観賞したとの伝えがあり、「殿入ザクラ」とよばれるようになった。
 昭和の初年ごろには樹の下に茶店の開設もあり、花見客は近郷からも押し寄せ賑わいを見せていた。元地主奥山家で昭和2年「殿之入遊園山開」と家名入りの瀬戸盃を浅立中に配ったものが残されている。
 その後、周囲の森林経営のため樹勢の衰えが進んでいたが、近年、所有者の熱心な手入れにより、樹勢は回復している。

山形県西置賜郡白鷹町大宇浅立字羽黒入4396番

山形県指定
指定年月日:20131129

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キーワード

白鷹 / エドヒガン / ザクラ / 鮎貝

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