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ワヤン・クリ アルジュノ

わやん・くり あるじゅの

概要

ワヤン・クリ アルジュノ

わやん・くり あるじゅの

その他アジア

制作地:インドネシア、中部ジャワ

20世紀後半

水牛の革・角・骨、彩色

全長66.4 像高45.8

1体

 ワヤンはインドネシアの伝統的な人形芝居です。物語の題材を、古代インドの物語で、ヒンドゥー教の聖典でもある『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』に取りつつ、インドネシアの風土や歴史のなかで、独自の発達を遂げました。人形芝居に用いる人形には、「ワヤン・クリ」という水牛の革で作った平面的な人形や、「ワヤン・ゴレ」という木彫(きぼ)りの立体的な人形があります。
 ワヤン・クリは、水牛の革をなめしたものを人形の形に切り取り、精緻な透(す)かし彫(ぼ)りと鮮やかな彩色を施して作ります。水牛の骨で関節を留め、水牛の角でできた操作棒(そうさぼう)を取り付けて完成です。この操作棒によって、人形の手を動かします。ワヤン・クリは影絵(かげえ)人形劇なので、白い布を張ったスクリーンの向こう側で人形の操作や音楽の演奏が行なわれます。そのため観客は、人形の影を観ることになりますが、影は真っ黒ではなく、彩色もほんのりと透けて映ります。精緻な透し彫りもきちんとシルエットになって表われます。人形自体は上下左右に移動するばかりでなく、前後にも移動するので、影が膨らんだり縮んだり、焦点が合ったりぼやけたりします。ワヤン・クリの人形は、それ自体の造形が素晴らしいものですが、機会があれば、影法師となった彼らがいきいきと躍動する人形劇も、御覧いただきたいものです。

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