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絹本著色十二天像附三幅(水天・梵天・地天)

けんぽんちゃくしょくじゅうにてんぞうつけたりさんふく(すいてん・ぼんてん・じてん)

概要

絹本著色十二天像附三幅(水天・梵天・地天)

けんぽんちゃくしょくじゅうにてんぞうつけたりさんふく(すいてん・ぼんてん・じてん)

中部 / 岐阜県

不詳

岐阜県

鎌倉~南北朝時代、室町時代、(附)江戸中期~明治時代

 本紙の寸法は全ておよそ縦77cm×横36.5cmである。各尊とも立像で火焔付きの頭光を伴い、座具は日・月天が踏割蓮華座、それ以外は毛氈座とする。現状では12幅完備しているものの、作風にはバラつきがあり、最も古様を示す4幅:焔摩天・日天・月天・風天のグループ(以下Ⅰ群)と、Ⅰ群よりやや時代が下る5幅:帝釈天・火天・羅刹天・毘沙門天・伊舎那天(Ⅱ群)、さらに新しい3幅:水天・梵天・地天(Ⅲ群)に大きく分類される。現状の構成になった経緯は不明で、散逸と補作を繰り返したか、あるいは別個の十二天像であったものが、どこかの段階で一具とされた可能性も考えられる。
 Ⅰ群は、国の重要文化財である滋賀県西明寺所蔵の十二天像に図像的に近似している。描線はやや硬調ですが繊細で美しい表現がなされている。また、裏箔も施され技術的にも優れている。Ⅱ群は、強い描線が特徴で、衣服の翻りや体躯の隆起が強調されている。また、毘沙門天の甲冑など、盛り上げ彩色を施した部分もみられる。Ⅲ群は、胡粉・朱・丹・白群など、濃度の高い顔料が用いられて、各尊とも背景に薄墨が均一に塗られている。

(単位はcm)
Ⅰ群:焔摩天(77.6×36.3)・風天(77.0×36.4)・日天(77.0×36.4)・ 月天(77.0×36.4)
Ⅱ群:帝釈天(75.8×36.1)・火天(77.6×36.1)・羅刹天(77.0×36.4)・毘沙門天(63.6×36.4)・伊舎那天(75.7×36.4)
(附)Ⅲ群:水天(76.0×36.0)・梵天(76.5×36.0)・地天(76.8×36.3)

9幅

岐阜県岐阜市大宮町2-18-1

岐阜市指定
指定年月日:20180228

真長寺

有形文化財(美術工芸品)

真長寺伝来

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