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柏庭宗松像

はくていそうしょうぞう

概要

柏庭宗松像

はくていそうしょうぞう

日本画 / 室町 / 中部 / 愛知県

愛知県

室町時代/1519

 本作品は頂相の通常の形式に則って、法被をかけた曲彔に坐す柏庭の姿を描いている。柏庭は濃茶の直裰に白茶色の田相と草色の行を組み合わせた袈裟を肩から掛ける。右手に竹篦を執り、左手の親指を強く握り込んでいて、顔は、口を一文字に結んで左方に鋭く視線を送っている。
 技法的には、肉身と衣文の線質に肥痩、硬軟の差をつけ、描写対象により線を使い分ける配慮を見せている。さらに、衣文間においても線質を細かく変化させ、布地の質感を描き分けてもいる。
 顔貌部も、細かく線描の肥痩、濃淡を使い分け、肉の厚みや皺の刻み、骨の凹凸の変化を巧みに捉えている。しかし眼窩の部分などでは、線をぼかし気味にして、面的な陰影表現も意識している。さらに各部を描く淡墨線に朱色をぼかすように重ね、隈取りによる立体表現が丁寧になされている。全体として、眼光鋭い柏庭の意志的な相貌が実人的に再現されており、日本の頂相の中でも出色の出来を示している。

縦 107.7cm 横 49.0cm

1幅

犬山市大字犬山字南古券232番地

愛知県指定
指定年月日:20210129

宗教法人 徳授寺

有形文化財(美術工芸品)

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キーワード

/ 描く / / 痩る

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