西隆寺跡出土木簡
さいりゅうじあとしゅつどもっかん
概要
西隆寺は西大寺と同じく称徳天皇(在位764~770)の勅願寺であり、西大寺は僧寺、西隆寺は尼寺である。これは聖武天皇勅願の僧寺東大寺と尼寺法華寺の関係と同じである。西隆寺は平城宮の北辺西側あたりに位置し、遅くとも鎌倉時代中期には廃絶した。昭和46年、東門近くの2箇所の土坑等から木簡が出土した。土坑は造営工事にともなう廃材や不要品を廃棄したもので、木簡も諸国からの貢進荷札、人夫への食料支給文書やその帳簿、官司や個人からの知識銭(堂塔仏像造営のため寄進した銭)付札など、造営過程に関わる内容をもつ。
本木簡は奈良時代末期の平城京における西隆寺造営に関係する木簡であり、寺院関係のまとまった木簡として木簡研究のみならず、奈良時代の寺院史、社会経済史において貴重である。
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