絹本着色 牡丹睡猫図 蠣崎波響筆(旧花光コレクション)
けんぽんちゃくしょく ぼたんすいびょうず かきざきはきょうひつ(きゅうはなみつこれくしょん)
概要
初夏の暖かな日差しの下、猫はのどかに眠り、花開いた牡丹の香りに惹かれ蝶が飛んでくる。猫は南蘋風(なんびんふう)の目つきの鋭く、毛の描写の細やかなものではなく、円山四条派の画家たちとの交流から受けた影響により、柔和で親しみやすいものとなっている。
文政5年(1822)、波響は梁川を去り、松前に戻った。前年12月に幕府からの復領のため奔走し、復領事務責任者としての任務を果たした波響は、文政6年に家老職を辞し、家督を息子波鶩(はぼく)に譲った。画人としても、すべてを波鶩に引き継ぐように、この頃から種々の画譜をまとめている。
印章は最晩年に見られるものであり、松前波響という署名から、文政5年に松前に戻ってから文政9年に没するまでに描かれたと考えられる。当時の穏やかな波響の心境が伝わってくるような作品である。
文化庁 〒602-8959 京都府京都市上京区下長者町通新町西入藪之内町85番4 メール:online@mext.go.jp
共同運営NII Powered by GETA (C) The Agency for Cultural Affairs