禾目天目茶碗
のぎめてんもくちゃわん
概要
"天目という名称はもともと建盞、すなわち宋代に福建省の建寧府永吉鎮(昔の建甌県)にある建窯で焼かれた茶碗に対する日本での呼称であって、いまや世界的に通用する言葉となった。その語は、浙江省と安徽省との境にある天目山に由来する。天目山には有名な禅源寺などの名刹があり、ここに留学した日本の禅僧たちが持ち帰った建盞(建窯で焼成された茶碗)を、帰国後彼らは天目と呼ぶようになった。
成形後の天目茶碗の製作過程をたどってみると、まず、黄土(含酸化鉄)をうすめて下地に塗ったあと、その上に黒釉をたっぷりかける。熱せられると、下地の黄土中の鉄分がち徴細な酸化第二鉄の結晶となって黒釉中に浮遊する。この結晶粒は、すぐに流下し、釉中に沈みこんでゆく。冷却が始まると、粒が尾をひいて流下した形で焼きあがる。深黒の地釉中に結晶班があらわれる。その状態が兎の毛の筋のようであり、または稲の茎の禾目のように見えるところから兎亳盞天目、または禾目天目と称するのである。
わが国では、黒釉のかかったやきものを漢然と天目と呼んでいるが、本来の天目の意義は既述のように、二重がけになったものを指していることに注意されたい。"
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