鋳銅日蓮座像
ちゅうどうにちれんざぞう
概要
日蓮の座像。右手に杓を、左手に巻物を持っている。像の中は空洞。
付属の木彫台正面には衣紋様の装飾が彫られているが、虫損が甚だしい。上面には削って入れたような「日蓮」の文字がある。
≪付属品≫金森小三郎書「謹呈品目録」1960年(3-03-01-34「鋳銅三宝像」・3-03-01-36「鋳銅香炉」と共通)
寄贈者であり、作者の孫に当たる金森小三郎氏(7代)が書いたと見られるもの。継紙に墨書で、巻物状に巻かれており、寄贈する品名やその寸法、高岡市に祖父の作品を寄贈するに当たっての心境や詩などが書かれている。末尾に「昭和三十五年七月十五日 金森小三郎(印)」とある。
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【金森 小左衛門(かなもりこざえもん)】
金森家(釜屋)は代々小左衛門を襲名した高岡鋳物師。伝承では城端別院善徳寺(富山県南砺市)の「享保二十年(1735)卯十一日鋳物師藤原朝臣金森小左衛門少尉」の銘をもつ灯籠を鋳造したという。
4代(号は宗光)は灯籠・火鉢・瓶掛などに優れた作品を遺した名工と言われる。代表作は城端別院善徳寺灯籠1対〔本堂に向かって右は天保15年(1844)作・嘉永2年(1849)作〕。
5代(智宗)は上記「謹呈品目録」によると、「天保(1830~44年)・弘化(1844~48年)の城端に生まれ」、「明治四十年(1905)五月逝く」とある。
<参考文献>
養田実・定塚武敏責任編集『高岡銅器史』高岡銅器協同組合発行 桂書房 1988年(p345~346)
金森小三郎書「謹呈品目録」1960年
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