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鋳銅三宝像

ちゅうどうさんぽうぞう

概要

鋳銅三宝像

ちゅうどうさんぽうぞう

金属像 / 明治 / 富山県

5代 金森小左衛門  (?~1907)

ごだい かなもりこざえもん

富山県高岡市

明治38年7月/1905年

鋳銅(塔、両尊)、木彫(台座)

〔全体〕幅20.7cm×奥行7.3cm×高さ31.3cm、〔像+台座上部〕18.0×5.9×20.0、〔台座下部〕20.7×7.3×11.3

3点(1組)

富山県高岡市古城1-5

資料番号 3-03-01-34

高岡市立博物館蔵

三宝尊・一塔両尊という日蓮宗・法華宗の本尊。中央に宝塔(題目「南無妙法蓮華経」)、両側に如来像(向かって左に釈迦如来(釈迦牟尼仏)、左に多宝如来)を配してある。台座(蓮華座)は二段になっており、いずれも木製。台座(上)に宝塔・如来像が取り付けられている。台座(下)とは接着されておらず、台座(下)に台座(上)ごと宝塔・如来像を乗せる。
【宝塔】
・蓮華座の上に、方形屋根の宝塔。
・正面部に題目「南無妙法蓮華経」の文字が入っている。
・屋根部から吊り下がっている、向かって左の装飾の下面に「慎」の文字が彫られている。同じく、向かって右側の装飾の下面にも何か刻まれているが、こちらは判読できない。
・宝塔の背面に「明治卅八年乙巳七月日/五世智宗金森小左エ門/同作」と彫られている。
【如来像】
・向かって左は釈迦如来(釈迦牟尼仏)、右は多宝如来だが、2躯ともほぼ同じ形状である。蓮華座の上に座し、両手を胸の前で合わせている。
・舟形光背には渦のような文様が入っている。
・光背背面にはそれぞれ「明治卅八乙巳年七月日/五世智宗金森小左エ門/同作」と彫られている。
【台座】
・木彫(白檀塗か)。
・台座(上)には蓮弁様の模様が施されている。
・台座(下)の正面部には蓮の絵が彫られている。また上面には削って入れたような「上」の文字が、底面には鉛筆の上に赤い塗料で書いたような「下」の文字が入れられている。

・収納木箱…観音開き式の桐箱、3-03-01-35「鋳銅日蓮上人像」(5代金森小左衛門作)・3-03-01-36「鋳銅香炉」(4代金森小左衛門作)と同梱(共に金森小三郎氏寄贈)。木箱の上面に「鋳銅三宝像/鋳銅日蓮上人像/鋳銅香炉」と書かれた貼紙あり。

≪付属品≫「謹呈品目録」(上記3点共通)寄贈者であり、7代に当たる金森小三郎氏書。継紙に墨書で、巻物状に巻かれており、寄贈する品名やその寸法、高岡市に祖父の作品を寄贈するに当たっての心境や詩などが書かれている。末尾に「昭和三十五年七月十五日 金森小三郎(印)」とある。

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【金森 小左衛門(かなもりこざえもん)】
 金森家(釜屋)は代々小左衛門を襲名した高岡鋳物師。伝承では城端別院善徳寺(富山県南砺市)の「享保二十年(1735)卯十一日鋳物師藤原朝臣金森小左衛門少尉」の銘をもつ灯籠を鋳造したという。
 4代(号は宗光)は灯籠・火鉢・瓶掛などに優れた作品を遺した名工と言われる。代表作は城端別院善徳寺灯籠1対〔本堂に向かって右は天保15年(1844)作・嘉永2年(1849)作〕。
 5代(智宗)は上記「謹呈品目録」によると、「天保(1830~44年)・弘化(1844~48年)の城端に生まれ」、「明治四十年(1905)五月逝く」とある。

<参考文献>
養田実・定塚武敏責任編集『高岡銅器史』高岡銅器協同組合発行 桂書房 1988年(p345~346)
金森小三郎書「謹呈品目録」1960年

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