山水図襖
サンスイズフスマ
概要
旧養徳院方丈を飾った障壁画のうち、最古の部分は延徳二年(一四九〇)頃のものだが、絵はその後、改造や加筆が何度もなされた。本作は「山水図小襖」とともに、室中の内部を飾っていた山水図。宗継が描いた「琴棋書画図襖」などとは作風が異なり、江戸時代には周文筆と言い伝えられていた。後世に大幅なリタッチが加えられており、中世のものか、後に追加されたものか、制作時期の正確な判断が難しい。ただし基本的な構図やモチーフは室町時代の水墨画のスタイルをよくふまえており、何かしら原画の情報を留めている可能性がある。