青花バッカス神図皿
せいかばっかすしんずさら
概要
"ギリシャ神話のディオニューソスは、酒と陶醉の神と考えられているが、ローマ神話ではバッコス(英語読みでバッカス)と称する。バッカスはゼウスとセメレーの子で、ゼウスの雷火にふれて身を滅ぼした母親の胎内から父神の腿内に移され、そこから生まれたと言う。成人してから人々に葡萄の栽培とその果実からつくられる酒のすばらしさを伝えたので、一般には酒の神様と考えられている。
清朝も康煕の半ば頃になると、国内も安定し、景徳鎮の諸窯も復活した。康煕22(1683)年頃から磁器の海外輸出が再開した。その当時の輸出染付磁器は、文様や形式の点では国内向けのものとくらべて、特別な相違は認められなかった。だが、18世紀に入ると注文主からモデルや図案の提供を受け、西洋市場向けの磁器を焼成するようになった。その頃に、まず手始めにつくられたのがこのバッカス神図皿のように、西洋人物を主題とする染付磁器であった。17世紀末には、イギリス船が広東で磁器の買付が出来るようになったが、その後、各国の貿易船が広東に出入した。
標題の皿では、バッカス神は右手にゴブレット(高脚付酒杯)をかかげ、左手に葡萄の房をもち、テーブルの側に立っている。彼の左前方には酒甕が置いてあり、圏外の葡萄唐草文がバッカス神をかこみこみ、更に、この時代の銀器や錫器によく見られる丸ひだ文様が口縁を飾っている。イタリアのフィレンツ国立美術館には、ミケランジェロ作の美青年裸像のバッカス神があるが、図像学的には面物も姿勢もこの皿のバッカス神と全く同じである。このバッカス神図の原型は、デルフトのタイルに求められるであろう。なお類品としては、ロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館、ニューヨークのモタヘデ・コレクションにあった皿が知られている。わが国では、この皿が唯一の例であろう。"
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