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染付山水人物文手付水注

そめつけさんすいじんぶつもんてつきすいちゅう

概要

染付山水人物文手付水注

そめつけさんすいじんぶつもんてつきすいちゅう

陶磁 / 江戸 / 佐賀県

有田

17世紀後半 江戸前期

磁器・伊万里

H24.0cm

ポルセレインミュージアム

古伊万里

ハウステンボス株式会社

"ヨーロッパでタンカード、又はビアー・ジャグと言われているこの種の壺には、金属製、陶製または木製のものがあり、一般には取っ手の付いた蓋付の大コップを指すのである。有田では、オランダ連合東インド会社から送られてきた見本によって造ったが、会社の送り状にこの種の形式のものが初めて出てくるのは寛文3(1663)年である。フオルカーの『磁器とオランダ連合東インド会社』の1663年の項に、「フエーネンブルグ号は、12月9日にオランダ向けの日本製の磁器 3,543個、様々な種類の磁器41,400個、それにバタヴィアの薬局向けの磁器 6,896個を積んでバタヴィアに入港した。 3,543個はオランダからの見本によって注文したのであった。それらは大振りの瓢形フラスコ、大振りのバギネカップ、大中小3つのサイズのビーカー、大振りのビール用のジャグ、ロールワーゲンという半サイズの洗面器の形をした皿、それに大きな、3倍もの大きさの皿などであった」とある。
この種の壺の高さは24~26cm、それに20cmくらいのものの二通りがある。取っ手には予め穴があけられていたが、これはオランダに渡ってから銀や錫製の蓋を付けるためであった。主文様は、胴の三方割の窓枠の中に描かれたが、稚拙な山水文、多数の鳥が飛んでいる風景、傘をさした人物などであって、これらを花唐草文が囲んでいる。はじめは、胴に三方割文が施されたが、後になって窓がとれ文様が器物全体に及んでいった。芙蓉手文様から明末清初風の過渡期に移る中国染付文様の変遷過程に似た傾向が認められる。文様が三方割になっているものは、1675年から1685年頃まで、器物総体に描かれているものは、1690年頃から1700年頃までに焼造されたと考えられている。
有田製染付タンカードのうち、銀蓋付の最古のものには1668(寛文 8)年の銘があるが、ここに掲げた山水人物文とは異なり、窓枠内の文様がすべて草花文である(プリンセスホフ博物館蔵)。この壺の類品をオランダのコレクション中に探すと、次のようなものがある。
1.レーワルデン プリンセスホフ博物館
  高さ:26cm 金具銘:ミデとブルグ 1686
2.レーワルデン プリンセスホフ博物館
  高さ:19.7cm 金具銘:デルフト 1681
3.アムステルダム 個人蔵
  高さ:20.5cm 金具銘:アムステルダム 1694
4.ハーストレヒト ステックテング・ビスドム・ファン・フリート博物館
  高さ:24.5cm 19世紀金具付
5.未詳 個人蔵(シューリーヤ図録 ナンバー132)
  高さ:22cm
6.レーワルデン プリンセスホフ博物館
  高さ:19.5cm 金具無し"

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