花下群舞図
かかぐんぶず
概要
右隻に祇園社、左隻に上賀茂社を描き、両隻にわたって桜の下での宴遊を描く。名所そのものより、輪になって群舞する人々の熱気や、その場にいる人々の多彩な風俗に絵師の強い関心が寄せられている。複雑な雲の用法とその整った形状、緻密な人物表現などから、狩野派正系の絵師による16世紀末から17世紀初頭ころの作と考えられている。本作を四半世紀ほどさかのぼる狩野秀頼筆「観楓図」(国宝、東京国立博物館)や、本作とおよそ同時期の狩野長信筆「花下遊楽図」(国宝、東京国立博物館)とともに、狩野派による野外遊楽図の展開を考える上で欠かせない、近世初期風俗画の優品のひとつである。
文化庁 〒602-8959 京都府京都市上京区下長者町通新町西入藪之内町85番4 メール:online@mext.go.jp
共同運営NII Powered by GETA (C) The Agency for Cultural Affairs