群馬県金井遺跡群出土品
ぐんまけんかないいせきぐんしゅつどひん
概要
6世紀、榛名山は二度大きな噴火を起こし、その東麓の地は甚大な火山災害に見舞われた。金井遺跡群(金井東裏遺跡・金井下新田遺跡)は、その一回目の大噴火(6世紀初頭)により火山灰に覆い尽くされた、古墳時代の集落跡である。
平成20年代に行われた発掘調査では、被災した人々や動物、家屋跡や祭祀遺構とともに、膨大な量の遺物が出土した。なかでも甲を身に纏った状態で発見された人物は、貴重な甲冑を身に着け、装飾された鉾や弓矢を持ち、鹿角装の刀子や提砥石を携帯していた。これらの品々は優れた古墳の副葬品と比べても遜色ないものであり、この人物が集落内で枢要な立場にあったことを示す。集落の人々の無事を願い、鼓動する火山に向かって、何らかの儀礼を行っていたのであろうか。
集落内で執り行われた祭祀・儀礼に用いた、大量の土器、貴石やガラス製の玉、滑石や鉄製の模造品などの祭祀遺物も特筆される。土器類はカミに捧げた飲食物に関わり、剣や鏡、農工具などを象った模造品は、それぞれの用途に則した効力が期待されたのであろう。これほど大量かつ多彩な祭祀遺物が集積した例は全国的にも稀であり、古墳時代集落における祭祀を復元するうえで、欠かすことのできない重要な情報を含んでいる。
本出土品には、ほかにも赤色顔料の素材とみられる赤玉、鍛冶に用いた金床石や羽口など、集落内での人々の活動を表す遺物が多数ある。これらの品々は、火山災害で一時に埋もれ残ったが故に、古墳時代世界の一端を我々の眼前に鮮やかに映し出してくれる。
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