ヘレン・ケラーが函館盲唖院で触れた社寺模型
へれん・けらーがはこだてもうあいんでふれたしゃじもけい
概要
昭和12年(1937年)に来函したヘレン・ケラーが函館盲唖院を訪問した際に、実際に手で触れた木製社寺模型である。
函館盲唖院(現在の北海道函館盲学校・聾学校の前身)は国内でも創立が早く、明治28年(1895年)の函館訓盲会に始まる、障がいのある子どもたちを対象とした北海道で最初の教育施設である。
ヘレン・ケラーは、昭和12年(1937年)に視覚に障がいのある方に対する福祉や教育の向上を説いて全国各地を巡り、函館でも新川小学校において講演会が開催され、6,000名の生徒・市民が集まったほか、盲唖院において生徒・関係者向けの講演会や生徒らとの交流の場が設けられた。この時,日本文化の理解のために、生徒の教具として製作された神社・寺院の模型に触れて観察する機会があった。
ヘレン・ケラーの来函は、多くの人々に希望と勇気を与え、函館の教育史の中でも特筆すべき事柄である。本模型は、この出来事を現在に伝えるとともに、函館における特別支援教育の息吹を伝える歴史的な教具として学術的にも貴重な資料である。
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