元版大般若経
げんぱんだいはんにゃきょう
概要
本経巻は、元代はじめに刊行された普寧寺版大般若経である。対馬西福寺に伝来し、全600帖中、429帖が現存する。
もとは高麗で勧進僧の行淳らが浄財を募り、泰定3年(1326)に元の普寧寺に注文し、印刷されたものである。対馬島主であった宗貞茂(?~1418)が朝鮮から輸入して西福寺に安置し、貞茂の子・貞盛(?~1452)によって、同版の普寧寺版で欠巻が補われたと考えられている。附の経箱は、元禄13年(1700)に地元の篤信者から寄進されたもので、墨書からは江戸時代の上対馬地域において本経巻が篤く信仰され、大切に管理されてきたことがわかる。
元版大般若経の大部がまとまって伝存し、中国から朝鮮、日本(対馬)への将来と対馬宗氏による島内寺院への施入までの伝来過程や、その後の地域社会における本経巻への信仰について知られることは重要である。東アジアの印刷史や文化交流史上に学術的価値が高く、我が国の仏教史においても高い価値を有する。
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