絹本着色 厳上鴛鴦図 蠣崎波響筆(旧花光コレクション)
けんぽんちゃくしょく がんじょうえんおうず かきざきはきょうひつ(きゅうはなみつこれくしょん)
概要
款記に「戊午孟夏読書之暇製於(両)日菴松前杏雨」とあり、寛政10年(1798)、波響35歳の作品である。杏雨、もしくは京雨は、波響が20代から30代頃にかけて用いていた号である。両日庵は波響の叔父の藩家老執政職である広長の別号であり、広長邸で描いたものかと推察される。
大きく渦巻く波を受け、波濤が飛び散る岩の上で、銀杏羽(きょうう)を立てたオシドリのオスは水面を静観し、メスが背後から寄り添っている。オスの冠羽や喉羽の描写は非常に細かいが、羽毛や岩肌や波紋など部分部分の描き込みにぎこちなさが残り、さらに全体的にはまとまりを欠いているように感じられる。波響が試行錯誤しながら、構図や対象物に取り組んだ様子が伝わってくる作品である。
オシドリは波響が得意とした花鳥の一つで、この図のほかにも、水面に下降する様子や水面を泳ぐ様子などがくりかえし描かれている。
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